紙・Excelのシフト管理が限界に近いサイン

シフト管理が限界に近いかどうかは、作る人の手間より「集める・直す・伝える」に時間を取られているかで分かります。シフト表そのものを作る時間より、その前後の連絡に追われているなら、仕組みを見直す時期です。

よくある場面があります。店長が日曜の夜、LINEで個別に届いた希望休を1件ずつ見返しながらExcelに打ち込む。

途中で「やっぱり土曜も出られます」と追加のメッセージが来て、さっき埋めた枠を直す。完成した表を画像にしてグループに送ると、翌朝「私の名前が抜けてます」と連絡が来る。

次のうち3つ以上当てはまるなら、紙やExcelのままでは苦しくなってきていると思います。

  • 希望が口頭・LINE・紙のメモなど、ばらばらの方法で届く
  • シフト表を作れるのが、特定の1人だけ
  • 作ったシフト表を、写真や画像で配っている
  • 変更があるたびに、全員に連絡し直している
  • 最新版のシフト表がどれか、スタッフが分からないことがある
  • 急な欠勤の朝、代わりの人を探して電話をかけ続けている
  • 月末に、シフトと実際の勤務時間を手で突き合わせている
  • スタッフが増えて、誰がどの仕事をできるかを覚えきれない

どれも1つずつなら我慢できる手間です。困るのは、スタッフが1人増えるたびに、連絡も直しも確実に増えていくことです。

作る人が1人に限られている状態は、特に気をつけたいところです。その人が休んだり辞めたりした瞬間に、翌月のシフトが作れなくなるからです。

店長がインフルエンザで1週間休んだ月に、副店長が先月の表を見よう見まねで直して、結局ベテランが2人とも同じ日に休みになっていた。こういう話は、作り方が頭の中にしかない職場ではよく起きます。

希望の集め方を1つにそろえると、作る前の手間が一番減る

シフト管理を仕組みにするとき、最初に手をつけるべきは希望の集め方です。集める方法を1つにそろえ、締め切りを決めるだけで、作る人の負担はかなり軽くなります。

集め方よいところ困るところ
紙の希望表誰でも書ける職場に来ないと書けない
LINEの個別連絡手軽で早いあちこちに散らばる
共有のExcel一覧で見える上書きや書き間違い
入力フォーム形がそろう集計は別の手間
専用の画面そのまま作成に使える準備が必要

どの方法でも、決めておきたいことは共通です。

  • いつまでに出すか(締め切り)
  • 何を出すか(出られる日か、休みたい日か)
  • 締め切り後の変更をどう扱うか
  • 出してくれない人への声かけを誰がするか

締め切りを決めても、最初の数か月は守られないことがあります。締め切りの2日前に、まだ出していない人にだけ自動で声をかける。これだけで、責任者が1人ずつ催促する手間はかなり減ります。

「出られる日を出す」のか「休みたい日を出す」のかは、職場によって合うほうが違います。人が足りない職場なら出られる日を、人が足りている職場なら休みたい日を集めるほうが、作るときに迷いません。

ポイント

いきなり専用の仕組みを入れなくても、希望の集め方を入力フォームにそろえ、締め切りを決めるだけで改善する職場は多いです。その段階で足りるかどうかを確かめてから、次を考えても遅くありません。

シフトの作成は、頭の中のルールを書き出すところから

シフト作成を効率化するには、作る人の頭の中にあるルールを書き出すことが先です。ルールが言葉になれば、ほかの人も作れるようになり、システムに任せられる部分も見えてきます。

ベテランの店長や責任者は、「この時間帯は最低3人」「新人だけの時間帯は作らない」「この2人は同じ日にしない」といったルールを、意識せずに守っています。これが書き出されていないと、システムを入れても結局その人しか作れません。

  1. 必要な人数を時間帯ごとに書く曜日や時間帯ごとに、最低何人、どんな役割の人が必要かを書き出します。
  2. 人ごとの条件を書く働ける曜日や時間、できる仕事、扶養の範囲で働きたいなどの希望を一覧にします。
  3. 守っている暗黙のルールを書く「新人だけにしない」「連勤は避ける」など、普段無意識に守っていることを言葉にします。
  4. ルールに優先順位をつける全部は守れない月もあるので、絶対に守るものと、できれば守るものに分けます。
  5. たたき台と手直しを分ける決まったルールでたたき台を作り、最後の調整だけを人がする形を目指します。

書き出す作業は、作る人に1時間ほど話してもらい、別の人がメモを取る形でもかまいません。本人は当たり前すぎて書き忘れることが多いので、「なぜこの日はこの人にしたんですか」と先月のシフト表を見ながら聞くと、隠れたルールがよく出てきます。

全部をシステムに自動で組ませる必要はありません。たたき台が出てきて、人が微調整する。それだけでも、作る時間は大きく変わります。

注意

労働時間や休憩、連続勤務などのルールは法律や就業規則にも関わります。仕組みに組み込む条件は、就業規則や社会保険労務士などの専門家に確認したうえで決めてください。

変更の連絡は「最新版が1つだけある」状態を作る

シフトの変更でいちばん困るのは、古いシフト表が出回ることです。変更を個別に伝えるのをやめて、誰がいつ見ても最新版が1つだけある状態にすると、連絡の行き違いはぐっと減ります。

たとえば急な欠勤が出た朝。責任者が代わりに出られる人を探して1人ずつ電話をかけ、つかまった人に頼み、ほかのスタッフにも変更を伝える。この一連の流れを、「空いた枠を全員に通知し、出られる人が手を挙げる」形に変えるだけで、朝の電話はかなり減ります。

ポイント

急な欠勤の連絡を電話で受けるのか、LINEやフォームで受けるのかも決めておきます。電話は早い反面、記録が残りません。受けた人が記録に残すところまでを、流れの中に入れておくと抜けが出にくくなります。

変更の流れを決めておく

交代は本人同士で決めていいのか、必ず責任者の承認が要るのか。勝手に交代が成立すると、できる仕事の組み合わせが崩れることもあります。どこまでを本人に任せ、どこから責任者が見るのかを先に決めておきます。

変更のときに残しておきたい記録

  • 誰から誰に交代したか
  • いつ、誰が承認したか
  • 変更の理由(体調不良、私用など)
  • 変更後のシフトを全員が見られる状態になったか

記録が残っていれば、月末に「この日は誰が入っていたんだっけ」と記憶をたどる必要がなくなります。給与の計算でもめることも減ります。

変更の通知は、スタッフがふだん使っているLINEに届くようにするのが一番確実です。新しいアプリを入れてもらうより、見てもらえる確率が高いからです。

勤怠とつなげると、月末の突き合わせがなくなる

シフト管理と勤怠管理は別の仕組みで扱われがちですが、つなげておくと月末の作業が楽になります。予定(シフト)と実績(出勤・退勤の記録)を同じ場所で見比べられるからです。

紙やExcelの職場では、月末に事務の方がタイムカードとシフト表を並べて、遅刻・早退・急な交代を1件ずつ確かめていることがあります。シフトと勤怠が別々だと、この突き合わせは毎月なくなりません。

シフトと勤怠が別々シフトと勤怠がつながっている
月末の確認表を並べて手で照合差のある日だけ確認
急な交代の記録メモや記憶に頼る変更の履歴が残る
給与計算への受け渡し転記が必要データで渡せる

つなげるといっても、最初から勤怠の仕組みまで作り直す必要はありません。今使っているタイムカードや勤怠のデータを取り込んで、シフトとの差だけを一覧にする。それくらいの小さな仕組みでも、月末の作業は軽くなります。

すでに勤怠管理のサービスを使っているなら、そこにシフトの機能があるかどうか、あるいはデータをやり取りできるかを先に確かめてみてください。手間の少ない方法が見つかることもあります。

既製のシフト管理サービスで足りるか、自社開発が要るか

一般的なシフト(時間帯と人数、働ける日)を組むだけなら、既製のシフト管理サービスで足りることが多いです。仕事の割り当て方が独自だったり、ほかの業務とつなげたかったりする場合は、自社開発が候補になります。

比べる点既製サービスが向く自社開発が向く
シフトの組み方時間帯と人数が中心案件・現場・役割ごとの割り当て
ほかの業務とのつながりシフトと勤怠で足りる案件管理や予約などとつなげたい
使う人スマホアプリに抵抗がないLINEなどいつもの道具で完結させたい
始めたい時期すぐに数か月かけて合うものを

たとえば、日によって仕事の場所や内容が変わり、「この現場にはこの資格を持った人を」という割り当てが必要な職場は、時間帯と人数だけで組む既製サービスには乗りにくいことがあります。

逆に、アルバイトやパートの方が中心で、時間帯ごとに必要な人数を埋めていく職場なら、既製サービスの得意分野です。スマホで希望を出し、確定したシフトを見る、という基本の流れは、たいていのサービスでそろっています。

迷ったら、既製サービスの試用期間で、来月のシフトを実際に1か月分作ってみるのがおすすめです。どこで無理が出たかが、そのまま自社開発の要件になります。比べ方は顧客管理システムの選び方と同じ考え方が使えます。

事例:最初の開発の後、シフト管理ツールを継続して開発

LaughRallyでは、特殊効果演出の会社から最初に動画の検索・提案サイトの開発を受け、その後の継続案件の1つとしてシフト管理のツールを開発しました。

LaughRallyの事例

特殊効果演出の会社で、動画を検索して提案に使うサイトを1〜1.5か月で開発しました。週次の報告と、2週間ごとの動作確認をしながら進めています。

その後、シフト管理などあわせて4件の開発を継続してご依頼いただきました。

この事例で書けるのは進め方のほうです。最初の開発で週次の報告と2週間ごとの動作確認を重ね、その後に次の開発へと続いていきました。

まず1つの開発で進め方を確かめてもらい、次に困っている業務へ広げていく。シフト管理のように毎月必ず回ってくる業務は、この順番で取り組むと無理がありません。ほかの事例は事例のページにあります。

費用の目安と進め方

希望の集め方をフォームにそろえる、集まった希望を一覧に自動でまとめる、といった1業務の自動化なら3万〜5万円、1〜2週間が目安です。シフト作成や変更連絡、勤怠とのつながりまで含めた専用のシステムは、50万円から、期間は1〜3か月を見ています。

作る場合は、まず1つの業務から小さく始め、途中で動く画面を見ていただきながら進めます。シフトを作る方と、実際にシフトに入るスタッフの両方に触ってもらい、使われることを確かめてから広げます。導入後の見直しや小さな改修は、月額の伴走支援(月5万〜15万円)でお手伝いできます。

シフト管理は毎月必ず回ってくる業務なので、小さく作っても効果がすぐに分かります。最初の1か月で使われ方を見て、2か月目に直す。この短い周期で手を入れられるのも、自社用に作る良さだと思います。

「既製サービスで足りるのか」「まずどこから手をつけるか」の段階でも大丈夫です。60分・オンラインの無料の業務診断で、自動化できる業務を一覧にしてお渡しします。

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