電話予約の何が負担になっているのか

電話予約の負担は、電話そのものより「作業中に手を止めること」と「聞き間違いや書き漏れの後始末」にあります。公式LINEで予約を受け付けると、この2つをまとめて減らせます。

たとえば美容室で、スタッフがお客様の髪を切っている最中に電話が鳴る。手を止めて出て、予約表を見ながら空きを探し、名前と電話番号をメモする。

施術に戻るころには、待たせたお客様にもう一度声をかけ直すことになります。整骨院や教室、工務店の現地調査の予約でも、同じことが毎日のように起きています。

電話予約で起きがちなことを並べると、こうなります。

  • 営業時間外や休憩中にかかってきた電話を取れず、そのまま予約を逃す
  • メモの日付や名前を聞き間違え、当日になって食い違いが分かる
  • 前日の確認の電話を、閉店後にスタッフが一件ずつかけている
  • キャンセルの連絡が当日になって入り、空いた枠を埋められない

どれも「人がその場で受けて、その場で書く」から起きることです。お客様に自分で予約を入れてもらい、記録が最初から残る形にすれば、かなりの部分がなくなります。

お客様の側にも利点がある

LINE予約は、お店や会社の負担を減らすためだけの仕組みでもありません。お客様は仕事の休憩中や夜に、電話がつながる時間を気にせず予約できます。

予約内容がトークに残るので、日時を忘れても見返せる。電話が苦手なお客様には、特に喜ばれやすいところです。

予約の流れは、どう設計すればよいか

予約の流れは、お客様が「メニューを選ぶ」「日時を選ぶ」「名前と連絡先を入れる」「確定の連絡を受け取る」の順で、迷わず進める形にします。途中で考えさせる場面が多いほど、予約は電話に戻ってきてしまいます。

流れを作る前に、今の電話予約で何を聞いているかを書き出してみてください。名前、電話番号、希望日時、メニュー、初めてかどうか、指名の有無。そのうち、予約を確定するのに欠かせないものだけを入力してもらいます。

  1. メニューや目的を選ぶ所要時間が違うメニューがある場合は、最初に選んでもらうと空き枠の出し方が正しくなります。
  2. 日時を選ぶ空いている枠だけを表示して、その中から選んでもらいます。
  3. 名前と連絡先を入れる公式LINEからの予約なら、2回目以降は入力を省ける形にすると楽になります。
  4. 確定の連絡を送る予約内容を復唱するメッセージを自動で送り、変更やキャンセルの方法も一緒に伝えます。

人が確認してから確定する形もある

工事の現地調査や、事前に内容を聞かないと受けられない相談では、予約をすぐ確定させず「仮予約」にして、担当者が確認してから確定の連絡を送る形もあります。一手間は増えます。そのかわり、受けられない予約が入ってしまう心配はなくなります。

入力項目を決めるときは、スマホを片手で操作する前提で考えてください。電車でつり革につかまりながら予約を入れる人もいます。

文字を打つ欄は名前くらいにして、あとは選ぶだけで進める形にしておくと、途中でやめられにくくなります。初めての方とリピーターで聞くことを分けるのも一つの手です。

ポイント

確定の連絡に予約内容を書いて返すのは、思った以上に効きます。お客様が日付の選び間違いにその場で気づけるので、当日の食い違いがぐっと減ります。

空き枠は、どこでどう管理するか

空き枠の管理は、予約の置き場所を1か所にまとめることから始めます。電話、LINE、店頭の紙の予約表と、予約の入口がいくつあっても、空き枠を管理する台帳が1つなら二重予約は起きません。

よくある失敗は、LINEの予約は新しい仕組みで、電話の予約は今までどおり紙の予約表、と分かれてしまうことです。どちらにも同じ枠が空いて見えるので、同じ時間に2人の予約が入ります。電話で受けた予約も、スタッフが同じ台帳に入れる運用にしておく必要があります。

枠の作り方で決めておくこと

  • 1枠の長さと、メニューごとの所要時間
  • 同じ時間に受けられる人数(スタッフや席の数)
  • 予約を受け付ける期間(何日先まで、当日は何時まで)
  • 休みの日や、臨時で枠を閉じたいときの操作方法
  • 担当者ごとに枠を分けるかどうか

最後の「臨時で枠を閉じる」操作は、現場の方が自分でできるようにしておくのがおすすめです。急な休みや設備のトラブルのたびに作った会社へ連絡しないといけない仕組みは、だんだん使われなくなります。

スタッフの出勤予定とそろえる

担当者ごとに枠を分ける場合は、スタッフの出勤予定と予約枠がずれないようにしておきます。シフトを別のExcelで管理していると、休みの人の枠に予約が入ることがあります。

シフトと予約枠を同じ場所で見られるようにするか、少なくとも休みを入れたら枠も閉じる手順を決めておくと安心です。シフトの管理についてはシフト管理の記事でも書いています。

前日リマインドは、何を送ればよいか

前日のリマインドは、日時と場所と持ち物、そして変更やキャンセルの方法を1通にまとめて送ります。閉店後にスタッフが一件ずつ電話していた確認を、自動の通知に置き換える形です。

リマインドで書いておきたい内容は、次のくらいです。

  • 予約の日時とメニュー
  • 場所と、駐車場や入口など迷いやすい点
  • 持ち物や、事前に準備してほしいこと
  • 変更やキャンセルをしたいときの方法

送る時間帯も決めておきます。夜遅くに通知が鳴るのを嫌がる方もいるので、前日の日中から夕方くらいに送る設定にしておくと無難です。

整骨院なら「動きやすい服装でお越しください」、工務店の現地調査なら「当日は駐車スペースを1台分空けておいてください」。業種ごとの一言を添えておくと、当日のちょっとした行き違いも減ります。

リマインドに「ご都合が悪くなった場合は、こちらから変更できます」と一言添えておくと、無断で来ない人は減りやすくなります。行けなくなった人が、電話するのが面倒で黙ってしまう。それを防げるからです。

注意

公式LINEで送れるメッセージの数や料金の仕組みは、プランによって違い、見直されることもあります。リマインドを自動で送る前に、LINE公式アカウントの最新の案内で確認してください。

当日の案内も自動にできる

前日だけでなく、当日の朝に「本日〇時にお待ちしています」と送る形もあります。工事の現地調査なら、担当者が向かう前に「これから伺います」と送る、といった使い方も考えられます。ただ、通知が多すぎるとお客様に煩わしく思われるので、最初は前日の1通から始めて、反応を見て足すくらいがちょうどいいと思います。

キャンセルや変更は、どう扱えばよいか

キャンセルや変更は、お客様が自分で操作できる形にしつつ、締め切りを決めておくのが基本です。締め切りを過ぎたものだけ、電話や担当者とのやり取りに回します。

自分で変更できるようにすると、「電話するのは気が引けるから、黙って行かない」という人が減ります。空いた枠はすぐ予約できる状態に戻るので、別のお客様が入れる可能性も出てきます。

決めておきたいルール

  • 何日前、何時までなら自分で変更やキャンセルができるか
  • 締め切りを過ぎた場合の連絡先と、キャンセル料の有無
  • キャンセルが出たとき、スタッフに通知するかどうか
  • キャンセル待ちを受けるかどうか

キャンセル料を取る場合は、予約の時点で分かるところに書いておきます。あとから伝えると、ほぼ確実に揉めます。取り扱いに迷うときは、今の電話予約で実際にどう対応しているかをそのまま仕組みに写すところから始めると、スタッフもお客様も戸惑いません。

既存の予約サービスと、作る仕組みの使い分け

予約だけを受けたいなら、まずは既存の予約サービスで足りるか確かめるのが先です。予約のあとに見積もり、施工、請求、顧客台帳などの業務がつながっている場合に、自社に合わせた仕組みを作る意味が出てきます。

比べる点既存の予約サービス自社に合わせて作る
始めやすさ申し込めばすぐ使える設計と開発の期間が要る
予約の形サービスが決めた形に合わせる自社の流れに合わせられる
他の業務とのつながりサービスが対応している範囲だけ顧客台帳や案件管理とつなげられる
向いている業種美容室、教室など予約の形が一般的現地調査、工事、相談など流れが独特

既存のサービスにもLINEと連携できるものがあります。料金や機能はサービスごとに違い、変わることもあるので、候補を2〜3個に絞って、無料で試せる期間に実際の予約の流れを通してみてください。合わないと感じた部分が、自社で作るときの要件になります。

無理に作る必要はありません。既存のサービスで足りるなら、そのほうが早くて安く済みます。私たちに相談いただいたときも、まずそこから一緒に確認しています。

作る場合に考えておくこと

自社に合わせて作るなら、予約の画面より、予約のあとの流れを先に決めておくほうが大事になってきます。予約が入ったら誰に知らせるか、顧客台帳のどこに記録するか、見積もりや請求とどうつなぐか。ここが決まっていれば、予約の画面そのものはそれほど迷わずに作れます。

LINE予約の自動化を始める手順

始めるときは、予約の台帳を1つに決め、1つのメニューか1人の担当者の枠から試すのが安全です。全部の予約をいきなり切り替えると、混乱したときに戻れなくなります。

  1. 今の予約の受け方を書き出す電話、LINE、店頭など予約の入口と、聞いている項目、確認の電話のやり方を書き出します。
  2. 使う仕組みを決める既存の予約サービスで足りるか、自社に合わせて作るかを決めます。
  3. 枠とルールを決める枠の長さ、受付期間、キャンセルの締め切り、リマインドの内容を決めます。
  4. 一部の予約で試す1つのメニューや1人の担当者の枠だけをLINE予約にして、スタッフとお客様の反応を見ます。
  5. 全体に広げる問題がなければ他のメニューや担当者にも広げ、電話予約も同じ台帳に入れる運用にそろえます。

試す期間中は、電話予約も並行して受けて構いません。常連のお客様ほど電話に慣れているので、「LINEからも予約できるようになりました」と店頭や確定の連絡で少しずつ案内していくほうが、無理なく移っていきます。

LaughRallyの事例

引越し会社のホームページと公式LINEで、最初の聞き取りを自動で行う仕組みを作りました。予約そのものではなく、その前段階の聞き取りを自動にした例です。

費用の目安と進め方

公式LINEの予約受付やリマインドの設定、既存サービスとのつなぎ込みは、LaughRallyでは3万円からが目安です。予約から顧客台帳や案件管理までを自社に合わせてつなぐ場合は、業務システムとして50万円からになります。

作るもの費用の目安期間の目安
LINE連携の設定(予約受付・リマインドなど)3万円〜内容による
1業務の自動化(予約の台帳への記録など)3万〜5万円1〜2週間
予約と顧客・案件管理をつなぐ業務システム50万円〜1〜3か月

既存の予約サービスで足りるのか、作ったほうがいいのか、判断がつかない段階でも相談いただけます。無料の業務診断(60分・オンライン)では、予約まわりを含めて自動化できる業務を一覧にしてお渡しします。売り込みはしません。

費用の感覚をつかみたいときは見積もりシミュレーターも使えます。問い合わせの段階から自動にしたい場合は、公式LINEで問い合わせを自動化する記事もあわせてどうぞ。