システム開発会社は何で選ぶか
システム開発会社を選ぶときは、話が通じるか、途中経過を見せてくれるか、作った後も面倒を見てくれるか、の3つを先に見ます。金額を比べるのは、その後で十分です。
業務システムは、作っている最中に必ず「思っていたのと違う」が出てきます。そのときに素早く気づいて直せるかどうかは、技術力よりやり取りのしやすさに左右されます。
腕のいい会社でも、こちらの業務を分かろうとしてくれなければ、使われないシステムができあがります。最初の打ち合わせのあと、「この会社は、うちの仕事の話をちゃんと聞いてくれたか」を思い返してみてください。いちばん確かな判断材料はそこにあります。
話が通じるかの見分け方
話が通じるかどうかは、打ち合わせの後に届くメモや提案書を見ると分かります。こちらが話した困りごとが、こちらの言葉のまま整理されていれば、ちゃんと聞いてくれた証拠です。
反対に、提案書が専門用語と機能名の羅列で、自社のどの作業がどう変わるのかが読み取れない場合は要注意です。読んでいて社長も事務の方もピンとこない資料は、開発が始まってからのやり取りでも同じことが起きます。
たとえば「月末の請求で、現場ごとのExcelから金額を拾う作業に丸2日かかっている」と話したとします。提案書に「請求管理機能」としか書かれていない会社と、「現場ごとの金額が自動で集まり、請求書をまとめて出せる」と書いてくる会社。後者のほうが、話が伝わっていると判断できます。
ポイント
最初の打ち合わせで、こちらの業務について質問を多くしてくる会社は信頼しやすいです。すぐに「それならこの機能で」と答えを出す会社より、まず聞く会社のほうが、後の手戻りが少ない傾向があります。
比べるときに確認したい項目
開発会社を比べるときは、同じ項目を同じ聞き方で確かめると判断しやすくなります。会社ごとに聞くことを変えると、比べようがなくなってしまうからです。
| 項目 | 確認すること | 聞き方の例 |
|---|---|---|
| 業務の理解 | こちらの言葉で話してくれるか | この流れで困るのはどこだと思うか |
| 見積もりの中身 | 作る画面や作業が書かれているか | 一式の中身を教えてほしい |
| 途中経過 | 動く画面をいつ見られるか | 完成前に何回確認できるか |
| 保守 | 公開後に誰が対応するか | 不具合が出たら何日で直るか |
| 窓口 | 担当が途中で替わらないか | 最後まで同じ人が担当するか |
実績も気になるところですが、件数や有名な取引先の名前より、自社に近い業種や規模の仕事をしたことがあるかを聞くほうが役に立ちます。似た業務を知っている会社は、説明しなくても分かってくれる部分が多いんです。
同じ業種の実績がなくても、心配しすぎることはありません。業務の流れを丁寧に聞いてくれる会社なら、業種の違いは打ち合わせで埋まります。むしろ「その業界のことは分かっています」と言い切って、こちらのやり方を確かめない会社のほうが心配です。
「作らない提案」をしてくれるか
提案の中身で見ておきたいのは、作らなくていいものを作らないと言ってくれるかどうかです。会計や勤怠のように既製のサービスで足りる部分まで作ろうとする提案は、費用がふくらみがちです。
「この部分は今のExcelのままで十分」「まずは見積と請求だけ作って、在庫は様子を見ましょう」といった提案が出てくる会社は、発注する側の予算と手間を考えてくれていると思っていいでしょう。
見積もりの内訳そのものの読み方は、業務システム開発の費用はどう決まるかで詳しく書いています。
途中経過を見せてくれるか
完成前に何度も動く画面を見せてくれる会社を選ぶと、出来上がってからの「こんなはずじゃなかった」をかなり防げます。逆に、契約から完成まで何も見せてもらえない進め方は、発注する側にとって不安が大きいです。
よくある失敗が、要件を決めて契約した後、3か月ほど音沙汰がなく、完成品を見たら画面の流れが現場の動きと合っていなかった、というものです。その時点で直そうとすると、作り直しに近い手間がかかります。
途中で画面を見られれば、「この項目は現場では入力しない」「この順番だと二度手間になる」といった気づきが早い段階で出ます。早く気づくほど、直す手間は小さく済みます。
画面を見るときは、社長だけでなく、実際に毎日使う事務の方や現場の方にも触ってもらうのがおすすめです。使う本人にしか分からない引っかかりは、意外と多いものです。
見せ方で確認したいこと
- どのくらいの間隔で、動く画面を見せてもらえるか
- 画面を見るのは打ち合わせの場か、自分で触れるのか
- 見せてもらった後の修正は、どこまで見積もりに含まれるか
- 進み具合の報告は、どんな形で、どのくらいの頻度か
LaughRallyの事例
特殊効果演出会社の動画検索・提案サイトでは、週次で進み具合を報告し、2週間ごとに実際の画面で動作を確認しながら、1〜1.5か月で仕上げました。その後、シフト管理など計4件の開発を続けてご依頼いただいています。
保守体制を確かめる
保守体制は、契約前に必ず確かめてください。システムは公開した日から使われ始めるので、不具合や「ちょっと直したい」が出てくるのはむしろその後です。
確かめたいのは、公開後に誰が対応するのか、どのくらいで返事が来るのか、月々いくらかかるのか、の3点です。作るのは得意でも、公開後の対応はしていない、別の会社を紹介する、という開発会社もあります。それ自体が悪いわけではありませんが、知らずに契約すると困ります。
月曜の朝、事務の方が請求書を出そうとしたら画面が開かない。こういうとき、電話一本で状況を分かってくれる相手がいるかどうかは、思っている以上に大きな差になります。
保守でよく食い違うこと
保守で食い違いが起きやすいのは、「不具合の修正」と「改修」の境目です。発注する側は直してほしいだけのつもりでも、開発会社から見ると新しい機能の追加にあたる、ということがあります。
どこまでが保守費用の中で、どこからが別見積もりになるのか。契約前に例を挙げて聞いておくと、後で揉めずに済みます。
保守の中身や費用の考え方は、システムの保守・運用費用とはにまとめました。
少人数の会社と大きな会社の違い
少人数の会社と大きな会社は、どちらが良いというより、向いている依頼が違います。中小企業の業務システムなら、少人数の会社のほうが話が早いことが多いです。
| 比べる点 | 少人数の会社 | 大きな会社 |
|---|---|---|
| 窓口 | 作る人と話す人が近い | 営業と開発が分かれていることが多い |
| 決めるまでの速さ | その場で決まりやすい | 社内の確認に時間がかかることも |
| 大きな開発 | パートナーと組んで対応 | 社内の人数で対応できる |
| 担当者の不在 | 引き継ぎの体制を要確認 | 代わりの人がいやすい |
少人数の会社に頼むときに確かめておきたいのは、担当者が休んだり、仕事が重なったりしたときの体制です。誰がソースコードを持っていて、別の人でも直せる状態になっているか。ここは遠慮せずに聞いて構いません。
大きな会社に頼むときは、打ち合わせに来る人と実際に作る人が違うことを前提に、こちらの要望がどう伝わるのかを聞いておくと安心です。打ち合わせで「現場は手袋のまま押す」と伝えたのに、出てきた画面は小さなボタンだらけ。こうした伝言のずれは、間に人が入るほど起きやすくなります。
個人で開発を請け負っている方に頼む場合も、考え方は少人数の会社と同じです。費用を抑えやすい反面、本人に何かあったときの対応が一番の確認ポイントになります。ソースコードと、サーバーやドメインの管理画面の情報を発注する側でも持てるようにしておくと、いざというときに別の人へ引き継げます。
注意したい見積もり
注意したいのは、中身が書かれていない見積もりと、作った後の費用に触れていない見積もりです。金額が高いか安いかより、何が含まれているか分からないことのほうが危ないんです。
注意
「システム開発一式」の1行だけの見積もりは、どこまで作ってもらえるのかが分かりません。追加費用の条件も合わせて、作る画面と作業の一覧を出してもらってください。
気をつけたい見積もりの特徴
- 作る画面や機能の一覧がない
- データ移行、テスト、操作説明に触れていない
- 公開後の保守費用が書かれていない
- 仕様を変えたときの扱いが決まっていない
- 打ち合わせで聞いた話と、見積もりの中身がずれている
1社だけ極端に安いときも、すぐに飛びつかずに中身を聞いてみてください。既製の部品を上手に使っていて安い、という正当な理由のこともあります。答えがはっきりしていれば、安さを素直に評価していいと思います。
逆に、極端に高い見積もりにも理由があります。分からない部分を多めに見積もっている場合が多いので、こちらの説明を足すことで下がることもあります。
支払い条件も見ておきたいところです。着手時に全額を前払いする条件だと、途中で進め方が合わないと分かっても引き返しにくくなります。着手時、途中、完成時のように分けて払う形にできるか、聞いてみてください。
依頼前の準備については、システム開発を依頼する前に決めておくことを参考にしてください。
契約前に聞いておく質問
契約前には、作るもの、進め方、作った後の3つについて質問しておきます。聞きにくいことほど、契約前に聞いておかないと後で聞けなくなります。
- 作る画面と機能を一覧で出してもらえるか
- 動く画面は、いつ、何回確認できるか
- 途中で仕様を変えたいとき、費用はどう決まるか
- 最初から最後まで同じ担当者か
- 公開後の不具合は、いつまで無料で直してもらえるか
- 保守費用は月いくらで、何が含まれるか
- ソースコードやデータは誰のものになるか
- 将来ほかの会社に引き継ぐことはできるか
- 支払いのタイミングはいつか
この質問に、こちらが分かる言葉で答えてくれるかどうかも見ておいてください。答えの中身と同じくらい、答え方にその会社の姿勢が出ます。
聞いた内容は、口約束で終わらせずに見積書や契約書に書いてもらうようにします。契約の細かい条件で分からないところがあれば、取引先の契約に詳しい方や専門家に一度見てもらうと安心です。
費用の目安と進め方
LaughRallyは中小企業・個人事業の方向けに、業務システム、Webサービス・SaaS、AIを使った業務の自動化、ホームページや公式LINE連携を作っています。要件の整理から開発・保守まで窓口はひとつで、大きな開発では提携の開発パートナーと体制を組みます。その場合も窓口はLaughRallyが担当します。
料金の目安は、1業務の自動化が3万〜5万円(1〜2週間)、業務システム・SaaS開発が50万円〜(1〜3か月)、月額の伴走支援が月5万〜15万円、Web制作・LINE連携が3万円〜です。
進め方は、途中で動く画面を見せながら作る形をとっています。まず1業務を小さく試し、現場で使われることを確かめてから広げていくので、最初から大きな金額を払う必要はありません。
この記事で挙げたチェック項目は、LaughRallyに相談していただくときにもそのまま使ってください。契約前の質問には、分かる言葉でお答えします。
相見積もりの1社として話を聞いてみたい方は、60分のオンラインでできる無料の業務診断をどうぞ。自動化できる業務を一覧にしてお渡しします。
売り込みはしません。おおよその金額は見積もりシミュレーターでも確認でき、過去の開発例は事例のページに載せています。